1.損益分岐点から考えてみた
損益分岐点から考えてみようと言ったものの、「損益分岐点」の意味が分からない方もいらっしゃると思いますので、まずはそこから解説を。
「損益分岐点」とは、書いて字の如く、「損」失が発生するのか、利「益」が発生するのかの「分け目(分岐)」となる「場所(点)」ていう意味ですね。
会計の業界の言葉で損益分岐点売上高という言葉あるのですが、これはこの売上があれば損失も利益も発生しないよっていう売上高がいくらなのかということを計算して、客単価を設定したり、回転率を考えたりと店のメニューや構造、コンセプトを考えるうえで参考になる数字です。
今回の営業自粛の場合は、損失も利益も発生しないという発想から考えることはおすすめではないので、休業した場合の損失を軽くするためにはどれだけの売上を出さないといけないのかという観点から考えてみましょう。
2.お店をオープンすると損することがある
わかりやすく個人オーナーでシェフをしている飲食店をイメージした場合で考えてみます。
飲食店をオープンさせようとすると
仕入れをしないといけない
スタッフをお店に入れないといけない
調理をするための光熱費も発生する
シェフの移動のためのガソリン代、電車代がかかる
わかりやすくこんな費用が発生しますね。
つまり、これだけの費用を賄えるだけの売上が必要になります。(仕入れたもので翌日以降に回せるもの分は、まだ売上がなくてもギリギリ大丈夫ですが)
この売上が損益分岐点売上高というものです。
これだけの売上が出ないのであれば、実はお店を占めた方が経費を抑えることができて、損失を抑えることが出来ます。
むしろ、どこかでアルバイト等ができるのであれば、家賃というコストはかかるものの、収入を確保できるという意味では、損失を低く抑えるためのお金になるので、それも一つの手かもしれません。
3.まとめ
今回はお金の面から考えてみると、閉めてオーナー自身が外に働きに出たほうが多分損失は少なくなるよという記事を出しましたが、そもそも貯えがないから難しいという方は、日本政策金融公庫等の無利子貸付の制度とかを活用して数か月分の家賃を払えるようにするのも考え方としては良いと思います。
しかし、その分の損失をコロナが収束してから2年ちょっとぐらいで取り返さないと、利息も発生するので借りるかどうかは、一旦利益計画を検討した上でやるべきということを付記しておきます。
また、急に今日から休業しますとすると在庫での損失がえらいことになるので、○日から休業しますと早めにアナウンスをして、在庫がはけるようにお客様に協力してもらえるとより良いかと思います。
そして、お金のことだけ考えてみたというタイトルの通りで、飲食店で休業できないところは従業員さんの給料が発生しなくなると従業員が困って、離職していくということを考える方が多いです。確かに、休業をすることで従業員が離れていってしまっては、コロナの収束後に再開したくてもできなくなるお店もあるでしょう。
お店を閉めるよということで休業補償を従業員に出す場合は国から補助をしてくれる仕組みがあるので、それも一体いくらもらえるのか、その場合は家賃と併せていくらのコストになるのかということを含めて、検討していただけると良いと思います。
以上、お金のことだけ考えた場合の、飲食店閉めた方が良いのかどうかでした。
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